来るのが楽しいオフィスの何とも凝った仕掛け

個人の活動の焦点を置いたスペース開発とは
働き方改革の進展により、毎日決まった時間にオフィスで勤務する働き方から、フレックスタイムでの出勤、自宅での勤務など、時間や場所を柔軟に選択できるような働き方が日本の社会にも浸透してきています。

一方でオフィス環境はどうでしょうか。社員にとって快適で、機能性に優れ、働きやすいオフィス環境が十分に提供できているでしょうか。近年、社員の生産性を上げるワークスペースの提供に取り組む企業が増えてきています。
「カイゼン」とは違う遊びのあるオフィス

 なかでも最近大きな話題となったのが、トヨタ自動車が東京・日本橋に設立したソフトウェア開発の会社、トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)のオフィスです。

 自動運転向けソフトウェアの開発を目的に設立されたTRI-ADのオフィスは、新しいアイデアや価値の創造、イノベーションを促すクリエーティブ・オフィスの代表的な例といえるでしょう。畳や芝生調のマットが敷かれたリラックススペースが設けられ、通路は自動車が通れるかと思われるほど幅広の設計になっています。

 また、社員同士のデスクの並べ方はハニカム構造で、自然とコミュニケーションが生まれやすいように工夫されています。無駄をなくし、徹底的に合理化を図る、あのトヨタの「カイゼン」とは一見真逆の、ゆとりがあり、遊びのあるオフィスレイアウトが注目されました。

 これらの仕掛けはいずれも新規事業のソフトウェア開発に欠かせないクリエーティブな発想、社員同士の対話や情報共有のしやすさ、見える化の効果などを狙ったものです。

 クリエーティブ・オフィスという概念は、十数年ほど前からオフィス環境の研究が進むにつれ、一律的な作業中心のデスクやシンプルなミーティングルームから、より柔軟な発想で執務できるオフィスの全体設計ということで使われ始めたものです。

 当時の経済産業省によるクリエーティブ・オフィスの提言資料を参照すると、1. 通常の執務席 、2. 個人の集中スペース、3.ワークショップできるスペース、 4. ブレーンストーミングのアイデア出しスペース、 5. 社員の交流を産むスペースなどの種類の場所が設計されることが多いようです。

 クリエーティブ・オフィスはオフィス仕様という視点ですが、昨今では「人」を中心とした見方、人が働く内容から環境を考える視点が出てきています。それが「アクティビティ・ベースド・ワーキング(Activity Based Working=ABW)」という考え方です。

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